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2020年松山G3最終日開設70周年記念金亀杯争覇戦

2020年松山G3開設70周年記念金亀杯争覇戦総展望

全日本選抜の決勝で落車した松浦悠士は、2月奈良記念を欠場した。
したがって、体調には一抹の不安は残るものの、影響がないようなら優勝に最も近い存在だろう。
松浦は今年初戦の1月和歌山記念を豪快なまくりでVスタートを決めると、続く同月高松記念は無傷の4連勝を達成。決勝は上がり11秒1の快速まくりで2着以下を4車身千切っている。更に全日本選抜の決勝では、僚友の清水裕をG1初Vに導く逃走劇を演じている。四国地区の記念開催で中四国勢が充実しているので、勝ち上がり戦から有利に戦えるはず。オールラウンダーらしく展開に応じて変幻自在に立ち回り優勝をものにしよう。
昨年は55周年以来となる地元記念優勝を飾っている渡部哲男。今年は連覇に闘志を燃やす。
昨年は当所記念を含み4Vを達成した渡部は、今年も堅実な位置取りと鋭い差し脚を発揮して成績をまとめている。初戦の1月和歌山記念決勝は差せなかったが、二次予選A準決と松浦悠を差しているし、全日本選抜の初日特選は清水選手のまくりに続いて2着。チャンスが巡ってくればものにできる状態だ。昨年の決勝で渡部を連れて先行した太田竜馬、連係実績の豊富な同県の松本貴治ら四国の先行型もそろっていて、渡部に好展開となる可能性も大いにある。太田は1月高松記念で落車して全日本選抜を欠場。2月玉野から復帰したが動きは今ひとつだった。松本は全日本選抜、2月大垣と数字はもとより、全レースで最終バックを取っていて競走内容もいい。

平原康多を中心視する手も十分である。
今年は年頭から快調なペースで飛ばしていて、1月立川記念準V、同月大宮記念は優勝、そして全日本選抜。更に2月奈良記念は連日圧倒的な強さを見せつけて。今年の連対率は8割を上回っている。今節の関東勢は上位クラスが少ないが、今の調子ならハンデにはなるまい。諸橋愛が平原とタッグを組む。この両者は連係が多く、昨年の競輪祭の二次予選A、1月立川記念の準決でワンツーを決めている。平原の仕掛けが早まるようなら逆転も可能だろう。

S班の村上博幸はレース巧者らしく今年も成績をまとめている。1月和歌山記念、同月高松記念、全日本選抜と立て続けに決勝に進出。2月奈良記念は準決敗退も伸びは良かった。同郷同期の稲垣裕之、稲毛健太らとの連係から勝機を見出す。

もう一人のS班である中川誠一郎はなかなかエンジンがかからない。全日本選抜は良いところがなかったし、2月静岡記念の動きも物足りなかった。九州勢では山崎賢人も好調時のような力強さが影を潜めている。

柴崎淳は昨年の四日市記念を制した11月頃に比べるとトップスピードが落ちている印象だ。調子の上積みが欲しい。

松山G3,最終日,開設70周年記念 金亀杯争覇戦

【12R=S級決勝】

1/松浦悠士(SS・広島98期)
2/平原康多(SS・埼玉87期)
3/中川誠一郎(SS・熊本85期)
4/稲川翔(S2・大阪90期)
5/守澤太志(S1・秋田96期)
6/根田空史(S1・千葉94期)
7/杉森輝大(S1・茨城103期)
8/志智俊夫(S1・岐阜70期)
9/諸橋愛(S1・新潟79期)

守澤がSを取って、根田ー守澤の2車が前受けに。
65・29・148・3・7の細切れ戦。

青板BSから松浦が上昇、根田にフタをする。

赤板突入で松浦が前に出て、誘導を切る。

松浦はペースを緩めながら後方の仕掛けを確認。

打鐘で松浦ー稲川ー志智の3車が出切る。

だが、すかさず平原がカマシていく。

平原の先行で残り1周回。
松浦は平原ー諸橋の後ろに収まるが、単騎の中川が外併走。

平原の番手・諸橋は車間を開けて、後続の仕掛けを遅らせる。

松浦と中川の激しい3番手争いが続きながら最終BSを通過。

依然、逃げる平原を諸橋が援護。

最後の直線勝負、諸橋が猛追するが、平原が押し切って1着。
2着に諸橋、3着は中川と競り合った松浦となった。
平原は今年1月の大宮記念以来、通算22回目のG3制覇。
高いレベルで安定した走りは他の追随を許さなかった。

優勝/平原康多(SS・埼玉87期)

優勝後の平原康多選手のコメント

レース前から諸橋さんとは「先行もあるかも知れない」と、話していた。
そうなった時はお互いに死ぬ気で仕事をしようって。
松浦が待っている感じで、そこで根田がきたら展開的に厳しくなるので、腹を括っていきました。
最終BSでは諸橋さんが優勝だなって、まさか最後まで押し切れるとは。
昨年、一昨年も調子自体は悪くなかったんです。
でも、フレームなどで試行錯誤して、結果が伴わずにファンにも迷惑を掛けてしまった。
ただ、昨年や一昨年の失敗があるからこそ今がある。
練習でやっていることがレースにも出せている。
動きたいところで動けている、自分の“走り”になっていますね。
次のウィナーズカップ(福井G2)も優勝を狙って、頑張っていきたいです。

 諸橋愛にとってはこの上ない好展開だったが、逆転はならず。レース後は「取りこぼした。残念」と悔しがることしきりだった。
「タイム(平原が上がり11秒3)を見て納得しました。昨日(準決勝)より早めに踏んでるのに、踏んだ瞬間にアレッ?と思った。康多が踏み直してて、逆に追いつかない。こりゃいかんと一生懸命踏んだけど、追いつかなかった。ここは取りたかったけど残念。自分が弱かった」
切って関東3番手に飛び付いた松浦悠士だったが、最終4コーナーまで中川誠一郎にへばり付かれてコースが空かず。3着流れ込みに終わってしまった。
「初手中団が良かったけど、スタート失敗しました。もう駆けちゃおうと思ったら平原さんが来たので。早めに誠一郎さんをドカしときたかったし、ドカすべきでした。仕掛けてないので、それがダメですね。付いてくれた2人に申し訳ない」

 中川誠一郎は平原の仕掛けに口が空いてしまったのが痛かった。
「まさか(平原が)行くとは思わなかった。根田のカマシに意識が行ってたし、松浦のペースかなと思ったら平原がピュッと行った。付いていくかどうかも迷ってしまって、その分浮いてしまった。でも外で粘れたほうでしょ。最近は自分をイマイチ信じ切れてなかったけど、久しぶりに開催を楽しめました」

 根田空史は後方のまま身動きが取れず。番手の守澤太志と8着、9着に敗れてしまった。
「平原さんに単騎組がついてたので、引くのに時間がかかってしまった。平原さんは切って(自分たちを受けて)3番手かなと思ったら切らなくて…。タイミングを取ってる間に行かれて、付いてくことができなかった。最悪ですね」

優勝した平原康多選手は、試行錯誤を繰り返しながらやってきたことがようやく実を結ぼうとしている。2月全日本選抜からは「力を伝えたときの自転車の進み方が合ってきた」。
奈良記念、今大会で見せた圧巻のパフォーマンスには確かな裏付けがある。
「去年、色々フレームとかを試行錯誤して、かなりレースで失敗してお客さんに迷惑をかけた時期もあった。去年、一昨年の失敗があって今がある。調子はずっと悪いわけじゃなかったので。今は自分の走りに納得できてる。動きたいところで動けてるので、ようやく自分がしたいような走りができてるかな」
次節は今月26日から福井競輪場で開幕するウィナーズカップ。完成形に近づこうとしている平原のGレース連覇に期待したい。

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