ガールズケイリンコレクション2019 名古屋ステージ展望
ファン投票の第1位から7位までの7名によるガールズドリームレースは4日目9Rの発走だが、3連続で第1位に選出された児玉碧衣と第2位の小林優香との激突が最大の見どころだ。
ガールズドリームレース
児玉碧衣 福岡 108期
児玉碧衣は3月のコレクション大垣ステージでは小林優香の捲りに屈して準優勝と涙を飲んだが、5月のコレクション松戸ステージでは打鐘過ぎの4角から仕掛けて華麗に逃げ切っている。
今年は6月までに39走して1着36回、2着3回と圧巻の成績を挙げており優勝回数も11回を数えている。
4月の平塚ではナターシャ・ハンセンを捲りで下して優勝とスピードも抜群だ。
3月のコレクション大垣ステージ以来の小林優香との対戦を控えて体調は万全で、今度こその打倒・小林を目指して闘志をかき立ててくるだろう。
小林優香 福岡 106期
ファン投票第2位は小林優香だ。
小林はいよいよ来年に迫った東京五輪を目指して自転車競技に重点を置いているのでガールズでの出走は少ないが、3月のコレクション大垣ステージでは児玉碧衣の捲りの上をさらに捲って優勝、小林の上がりタイムが12秒3、児玉の個人タイムが12秒7とスピードの違いを見せつけた。4月の伊東温泉でのガールズケイリンインターナショナルではロリーヌ・ファンリーセン、マチルド・グロを下して優勝しており、今回も世界の舞台で磨き上げた豪脚を遺憾なく披露してくれるだろう。
高木真備 東京 106期
ファン投票第3位は高木真備だ。
今年は4月までに優勝が5回と順調だったが、4月のコレクション松戸ステージを出走後は欠場が続いており体調面が気がかりだ。
それでも16年のコレクション松戸ステージではファン投票で初めて第1位に選出され、ファンの期待に応えて見事にビッグレース初優勝を飾っている。
さらに17年のコレクションいわき平ステージでもファン投票は第4位だったが、ドリームレースを優勝して連覇を達成と大会との相性は抜群だ。
今回もしっかり立て直しを図ってファンを喜ばせる走りを見せてくれるに違いない。
石井寛子 東京 104期
石井寛子は昨年7月のガールズケイリンフェスティバル以降はビッグレースでの優勝から遠ざかっているが、今年は7月7日までに45走して1着が35回、2着6回と近況は充実しており優勝も11回を数えている。
3月のコレクション大垣ステージでは逃げる梅川風子の番手を奪取と相変わらずの巧みなレースぶりだったが、小林優香、児玉碧衣の捲りに屈して3着に終わっている。
昨年7月のガールズケイリンフェスティバルでは児玉と小林を相手に優勝しているだけに、今回も福岡の2強に対してどんな作戦を立ててくるかに注目したい。
山原さくら 高知 104期
山原さくらは6月までに46走して1着26回、2着9回とまずまずの成績で優勝も3回ある。
レースでは組み立ての甘さがウィークポイントになっているが、後輩選手たちが相手でも自力勝負に徹しており、その走りっぷりは豪快そのものだ。
3月のコレクション大垣ステージでは勝負どころで内に詰まり、そのままズルズル後退して力を出しきれないまま無念の敗戦となっている。
それだけに今回こそは、持ち味のパワーあふれる先行・捲りで見せ場をつくることをまず念頭にレースに挑んでくるだろう。
石井貴子 千葉 106期
それでも、5月の岸和田から6月の松山まで連勝街道を驀進、自己最高の16連勝を達成して近況は急上昇中だ。
今回も持ち味のスピードとレース勘の鋭さをフルに発揮して勝機を見出し、コレクション大垣ステージやガールズケイリンインターナショナルの無念を晴らしてくれるだろう。
太田りゆ 埼玉 112期
太田りゆは小林優香とともに世界の舞台で戦っており、1月に香港で開催されたワールドカップのケイリンで見事に銀メダルを獲得している。
ただ脚力的には申し分ないが、ガールズケイリンに関しては実戦不足のせいでレース勘がややまずく、なかなか勝ちきれないのが悩みの種だ。
4月の高知のガールズフレッシュクイーンでは勝負どころで後手を踏んで4着、4月の伊東温泉のガールズケイリンインターナショナルも3着に終わっている。それでも世界に通用する脚を持っているだけに展開さえハマれば十分に一発が期待できるだろう。
ガールズドリームレース:結果
児玉碧衣選手が惜しくも優勝を逃し、石井寛子選手が最後のびて差した。
その影で太田りゆ選手が失格斜行落車となった。
アルテミス賞レース
梶田舞 栃木 104期
梶田舞は今年優勝が2回あるが、近況はここぞというときに勝ちきれずに苦戦が続いている。6月の小倉は2連勝の勝ち上がりながら決勝は2着、次場所の松山も2連勝の勝ち上がりで決勝2着とあと一歩が足りない印象だ。それでも梶田はガールズグランプリを2度制覇している実力者だけに、かつてのようなゴール前での鋭さが戻れば十分に一発があるし、今回も復活を目指して力走してくれることだろう。
石井貴子 東京 104期
石井貴子は今年で3年連続のアルテミス賞レース出場となる。
17年のいわき平のレースでは打鐘から思い切りよく先行態勢に入り、結果は7着だった貴子の後ろにいた姉の寛子が優勝と見せ場をつくっている。
昨年の同じくいわき平のレースでも勝負どころで先頭に立って先行意欲は満々だったが、残念ながら尾崎睦に叩かれて7着に終わった。近況はやや調子落ちの印象があるが、今年も積極的に動いて見せ場をつくってくれるだろう。
奥井迪 東京 106期
奥井迪は7月3日までに51走して1着30回、2着11回と好調で優勝も7回を数えている。
奥井といえば徹底先行のイメージが強かったが、近況は捲りも増えて戦法の幅が広がり安定感が増している。
もちろん先行力も健在で、若手選手たちを一気に叩いての逃げ切りも多く、対戦相手にとってはかなり嫌な存在といえる。
6月には3場所連続優勝と勢いに乗っており、今回も先行・捲りの両面作戦で優勝を狙ってくる。
小林莉子 東京 102期
ガールズ1期生の小林莉子は5月のコレクション松戸ステージでは勝負どころで立ち遅れて5着と敗れているが、今年6月までに優勝が6回と強さはまだまだ健在で、6月の四日市では児玉碧衣を下して優勝している。
アルテミス賞レースは今年で3回目の出場となるが、17年のいわき平でのレースでは2着、昨年の同じくいわき平のレースでは3着と好成績を残しており、今年もしっかりとゴール前での優勝争いに絡んでくるだろう。
長澤彩 愛知 106期
長澤彩は昨年のいわき平でのアルテミス賞レースの優勝者だ。レースは勝負どころで立ち遅れて7番手の最悪の展開となったが、最終バック手前から仕掛けると目の覚めるようなスピードで4角手前で捲り切ってしまい、そのまま後続を振り切って先頭でゴールインしている。今年は6月までの優勝が2回のみと近況はやや調子落ちの印象があるが、今回も展開負けしないしぶとい走りで復活優勝を狙ってくるだろう。
佐藤水菜 神奈川 114期
114期の新鋭・佐藤水菜は5月のコレクション松戸ステージでビッグレース初出走を果たしたが、大舞台の雰囲気に飲まれてなにもできずに7着に終わってしまった。
しかし、その直後からコレクションでの無念を晴らすかのような快進撃が始まり、5月の岸和田から6月の防府まで5場所連続優勝の快挙を達成している。
今回もコレクション松戸ステージの反省を胸に誰よりも積極的に攻めて汚名返上を狙ってくるだろう。
荒川ひかり 茨城 110期
荒川ひかりは昨年11月の和歌山決勝で田中まいの捲りを追走、ゴール前で鋭く差し切りデビューから2年4か月でうれしい初優勝を飾っている。
その後も順調に決勝進出を重ねていたが、今年3月の高知で落車してから調子は下り坂になり、今年は7月7日までに39走して1着1回、2着8回と成績的には不満の残る戦いが続いている。
ビッグレース初出走と今回も苦戦は免れないが、挑戦者らしく1度は見せ場をつくれる走りを期待したい。
アルテミス賞レース:結果
アルテミス賞でも長澤彩選手が差しで勝利を飾った。
今後の活躍に言いそう期待ができる。