村上博幸:約5年ぶりのV!!
G1「第28回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」の決勝戦は15日、前橋競輪場で争われ、村上博幸が優勝。
「グランプリ2019」12月30日・立川の出場権利と賞金2940万円を獲得した。
村上博のG1優勝は14年2月の高松全日本選抜以来、5年ぶり3回目。
グランプリは2年連続4回目の出場となる。なお、2着は逃げ粘った三谷竜生で2車単<5>―<1>3150円は13番人気の決着だった。
今大会は「古傷を痛めて」地元記念を欠場した後のシリーズで、決して万全の状態ではなかった。
しかし「自分のキャリアを生かして」日に日に状態を上げていった。
準決勝後には「3コーナーでの自転車の倒し方の感覚」も戻り、決勝戦は冷静にレースに集中できた。
三谷とのラインは完璧 !!
前を任せた三谷竜が打鐘で仕掛けて主導権を握るという絶好の展開。
村上博は最終2Cで後続の巻き返しを警戒すると、ゴール前で三谷竜を差し切った。「今回は差した確信があったので」ゴール直後に右手を上げた。
表彰式に向かう村上博の目には涙が光り「感謝してる家族、仲間、いろいろなことが浮かんで…」言葉に詰まった。
それでも「(決勝は三谷)竜生が頑張ってくれて、いつもラインのおかげと思っています。皆さまの声援のおかげです」とファンの声援に応えた。
初タイトルだった10年3月の松戸ダービーは兄・義弘とのワンツーで“まさか”の優勝劇だった。
2度目のG1優勝(14年2月高松全日本選抜)から5年がたつ今は40歳になり、「落車、年齢の影響もあり(G1優勝が)厳しい中での優勝だったのでうれしかった」と村上博。そして「練習はウソをつかない」と“村上魂”の原点を語った。
この優勝で2年連続4回目のグランプリ出場を決めた。
「昨年から脇本君のスピードに対応することも課題にしているが、一戦一戦に集中する自分のスタイルは変わらない。日々精進です」。
漢字の“競輪”が似合う村上博幸の優勝劇だった。
G1V4を逃し大敗を期した中川
一方、G1V4を狙った中川誠一郎(40)=熊本・85期・S1=は9着大敗。
清水裕友をマークしていたものの、赤板前から小松崎大地に飛びつかれて、あっさり番手を明け渡してしまったうえ、何もできなかった。
検車場に引き揚げてすぐは、「(番手を)ジャッカルされて…」とラグビー用語を駆使して周囲の選手に説明。
「7割は(番手を競りに)こられると思っていました。あんなに早くから競られるとは…。外(競り)はキツいですね」と敗因を分析。
ローラーでクールダウンしながら「次(熊本記念=久留米開催)、頑張ります」と語った。