令和元年は重賞レースが狙い目!!

全国43箇所で開催されている競輪は、競馬と同様、ほぼ毎週重賞レースが開催されている。
トップクラスの選手が出場する重賞レースに注目するのが初心者へのオススメの一つである。

しかし、今年の競輪は例年以上に重賞レースが重要になっている。

今年の競輪で重賞戦線がアツい

 今年の競輪重賞戦線は例年以上にアツい。
なぜならば、競輪グランプリ出場争いに必要な獲得賞金額が拮抗しており、歴代最高の激戦になっているといっても過言ではないからだ。

競輪グランプリの優勝賞金は1億円
競馬とは違い、選手が“まるまる受け取る”ため、そのインパクトは大きい。
この競輪グランプリに出場できるのは9名。これが普段のG1ならば出場選手は100名以上によるトーナメント形式(予選、準決勝戦、決勝戦と勝ち上がっていく)なのだが、グランプリは1レースのみ。

一発勝負で1億円を争うため、レースそのもののアツさも格段に違うのである。

この競輪グランプリへの出場条件は、年6回あるG1の優勝者、競輪以外の自転車競技個人種目で大活躍した選手がまず選ばれ、そこから残った枠を最後のG1終了時点での獲得賞金額上位から9名になるまで選ばれる。G1で優勝できなくとも、年間を通してコンスタントに賞金を積み重ねて、夢の舞台の切符を掴むこと方法もある……というわけだ。

競輪グランプリ出場条件の詳細

  • G1優勝者
  • 選考委が特に認めた選手(基本的にオリンピック自転車競技トラック個人種目メダル獲得者が入るため今年は今の所該当者はいない見込み)
  • 年内最後のG1(競輪祭)終了時点での賞金ランキング上位者(以下、賞金枠)

 

例年の今頃であれば、賞金枠でほぼ当確となる選手が2~3名出てくるものなのだが、今年は当確が出ているのは佐藤慎太郎選手だけ。あとは大接戦の状況である。
このため、賞金の高い重賞レースでの賞金上積み争いが過去最高に激化しており、最もグレードの低いG3のレースであっても無下にできない状況なのだ。G3の優勝賞金は360万円

ボーダー付近の選手にとってはバカにできない金額であり、その結果、今年の競輪はG3のレースがアツくなっているのである。

【現在の賞金ランキング】

360万円以内に3選手がひしめく大混戦状態

2019/09/18時点
★はG1優勝で競輪グランプリ出場権あり
1  脇本 雄太  102,592,000円 ★
2  中川 誠一郎 84,825,000円   ★
3  佐藤 慎太郎 76,901,400円
4  新田 祐大  66,320,000円   ★
5  平原 康多  61,661,600円
6  清水 裕友  60,242,000円
7  郡司 浩平  59,648,200円
8  松浦 悠士  53,621,000円
9  村上 博幸  43,832,400円
10 諸橋 愛   42,128,700円
11 菅田 壱道  40,624,000円
12 古性 優作  38,633,000円
13 太田 竜馬  38,331,200円
14 渡邉 雄太  38,279,700円
15 小倉 竜二  38,018,900円
16 原田 研太朗 32,290,600円

競輪グランプリ出場権を持った選手を除いてみると、賞金枠では佐藤慎太郎選手が平原康多選手に約1500万円の差をつけている。だが、平原康多選手以降の賞金差を順番に見ていくと

平原-清水 約140万円
清水-郡司 約60万円

平原、清水、郡司の3選手はG3の優勝賞金360万だけでも入れ替わりが可能な「僅差」なのである。
このG3は、競輪グランプリメンバーが決まる競輪祭までに残りは、岐阜・京都向日町・松戸・京王閣・久留米・防府・四日市と7回の開催が予定されている。
ちなみに郡司-松浦の差も約600万円と、G3優勝金にいくつかのレースで活躍すれば逆転も充分に有り得る位置だ。

直近だと、京都向日町記念G3「平安賞」は9月26~29日の日程である。
現在の予定では、平安賞だと郡司、松浦選手に加え、さらに9位の村上博幸選手も参戦予定となっている。

1000万差があっても差を詰めておきたい理由とは?

村上博幸選手は松浦選手と約1000万円も差がある。
G3優勝では足らないではないかと思うかもしれないが、賞金を多く稼ぐ手段は別にもある。

それはG1での決勝上位着での賞金だ。
G1は優勝すれば競輪グランプリ出場権を獲得できるため賞金額は関係なくなるのだが、決勝2着ならば寛仁親王牌で1440万円、競輪祭になると1680万円が得られる。
これで一発逆転が可能なのだが、先の平原・清水・郡司選手にG3を優勝されるとG1決勝2着の賞金を得ても逆転できるか微妙になってしまう。
そのため、村上博幸選手以下の賞金上位選手も、G3(記念)戦線で今年は力が入る。

これだけ多くの選手が可能性を残す年は過去になかったといっていいだろう。

京都向日町記念G3「平安賞」(9月26日~29日)注目ポイント

賞金枠上位組から7~9位の3選手(郡司松浦村上博)が一挙に出場予定。

いつG1決勝2着などでひっくり返されるかわからない彼らは少しでも上積みを目指す直接バトル!
3選手とも競走タイプが違い「郡司自力」、「松浦自在」、「村上追い込み」なので、それぞれの3人の動きに注目するだけでも、初心者は競輪に触れて理解できると思うし、面白いはずである。