第62回朝日新聞社杯競輪祭‼注目選手
この大会は、当年のKEIRINグランプリ出場権を賭けた、最後のGI競走である。また、GIII以上のグレードレースでは各競輪場の開設記念を除いて唯一、本大会のみ開催地が毎年固定されて行われている。
朝日新聞社杯競輪祭歴史
1951年11月21日から26日にかけて、競輪発祥3周年を記念して、小倉競輪場で第1回「競輪祭」が開催された 。第1回の競輪祭を開催した当時は既に全国各地の競輪場でも同じく「競輪祭」のタイトルを用いた開催が行われていたが、小倉競輪場が競輪発祥の地である事を意識して、当時の通商産業省(通産省)が小倉以外の競輪場では「競輪祭」のタイトルを使わぬよう通達を出した。
競輪祭は「競輪発祥を記念するため、廉あるごとに小倉において実施する」という通産省通達の下に行われてきた経緯もあり、その後は第2回が同5周年の1953年に、第3回が同7周年の1955年に、第4回が同10周年の1958年に、第5回が同15周年の1963年に、その原則どおりに行われ、また第5回までの間は『全国競輪祭』の名称で行われた。だが、第6回(1964年)からは第1回小倉競輪の初日を中心にした日程で毎年開催されることとなり、併せて『競輪祭』の名称で毎年開催されるようになった。
かつては、デビュー3年未満の選手を対象とした「全日本新人王戦」と、「全日本競輪王戦」との別開催による2本立てトーナメントで行われ、第20回(1978年)までは、前半(前節)3日間が新人王戦、後半(後節)3日間が競輪王戦という日程を組んでいた。そのため、新人王戦の優勝者には競輪王戦への出場資格が与えられ、第5回(1963年)では高原永伍が新人王(当時は新鋭王戦)と競輪王とを連続優勝した例もあった。第21回(1979年)より、初日から4日目までは新人王戦と競輪王戦の番組を混在させる形を取ったことで、5日目・6日目は競輪王戦出場メンバーのみの戦いとなった。その後、KPK制度の導入により、1983年4月にS級が設けられて以降しばらくは新人王戦に出場できる選手はS級に限定されていたものの、後にS級特進条件が厳しくなったことから、A級選手も一部参加できる「S・Aトーナメント」化された。だが、現在の北九州メディアドームに移転した初年の第40回(1998年)で当時A級選手だった齋藤登志信が優勝したことで制度上の批判が上がったことや、翌年の第41回(1999年)より4日間開催に移行したことから、新人王戦は事前に選抜されたメンバー9人による最終日における1レース限りの単発競走となった。
2001年度からの競輪の番組制度改革でグレード制の導入に伴い、1レース限りの新人王戦はヤンググランプリ(GII)に移行し競輪祭からは外されたことで、強力な若手の先行選手が新人王戦に出場するため競輪王戦において先行選手が少なくなるという状況は解消された。また、併せて競輪祭の開催時期が1月に変更(開催は2002年から)され、この開催時期の変更と同時に朝日新聞社から社杯が授与されるようになり、それに伴い第43回(2002年)より開催名称が競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦(GI)に変更された。
第46回(2005年1月)から第54回(2012年)までの開催では、選手とは別に、各競輪場で実況を担当するアナウンサーのファン投票も行われ、その上位4名が競輪祭の実況を1日ずつ担当するという試みがなされていた(ただし各日の前半レースは弥永正宏が担当する年もあった)。
2009年度より開催時期が再び11月に戻されることになったため、2009年は1月(2008年度扱い・第50回大会)と11月20日 – 11月23日(第51回大会)とで、2回開催された。また、大会の正式名称をその第51回大会より現在の名称に改称した。
第60回(2018年)からはナイター開催に移行し、第40回以来20年ぶりに6日間開催が復活した。但し、出場正選手は従来通り108名とし、全日12レースを行う(うち初日から三日目は後半4レースがガールズケイリン)。また、一次予選においては特別選抜予選の廃止とガールズケイリンで採用されているポイント制を導入し、そのポイント獲得上位者が二次予選へ進出できるよう番組を変更した。
なお、第62回(2020年)はCOVID-19の流行と感染拡大防止の観点から、入場者を福岡県・大分県・佐賀県・熊本県・山口県在住者限定にした上、事前に抽選を行って一日2500人と制限した上の開催となる。
優勝賞金
大会(年) | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 | 6着 | 7着 | 8着 | 9着 |
第60回(2018年) | 3,300万 | 1,680万 | 1,100万 | 800万 | 660万 | 550万 | 440万 | 418万 | 390万 |
第61回(2019年) | 3,360万 | 1,710万 | 1,120万 | 815万 | 672万 | 560万 | 448万 | 410万 | 397万 |
競輪祭注目選手
現時点で最強の男であろうワッキー事脇本雄太。先日の寛仁親王牌を2年ぶり2度目のVを楽々と決めG1制覇は通算5度目となった。順当にみたら一番Vに近い男であろう。彼の必勝パターン「先行逃げ切り」がどこまで進化するのか今大会も注目だ。
脇本のライバルである新田祐大。親王牌は優勝こそ逃したが2着で賞金1507万円(副賞含む)を上積み、通算取得賞金は10億円を達成。また、大会終了後の賞金ランキングは10位となり、「グランプリに出る為に走っている」と一気にグランプリ出場圏内までジャンプアップした。この競輪祭で好成績を残しグランプリ出場を確定させたい。
このまま終わる男ではない松浦悠士。親王牌を4着で終えた松浦は「強過ぎますね」と、脇本と新田のナショナルチームへの完敗を認めた。しかし松浦はこのまま終わる筈がない、親王牌の教訓を活かし競輪祭では必ずやリベンジを狙っている筈だ。脇本への敵討ち、新田のGP出場阻止、しのぎを削ってきた郡司とのライバル対決。令和の競輪界のドラマは、いつもこの男が中心にいるのは間違いない。
競輪プレス一番推しの男郡司浩平。この男の走りには魅せるものがあり、いつでも攻める姿勢は見ているものを熱くさせるのである。本誌もそんな彼の走りに魅了された一人だ。今大会も安定して3着内を決めてくると予想してます。
親王牌準決勝12Rで脇本の番手に飛びついたが失敗。4番手に入ったがそのまま動けず4着で決勝には行けなかった。レース直後は鬼気迫る表情で引き揚げてくると、廊下に座り込んで人目もはばからずに悔し涙を流した。親王牌の悔しさをこの競輪祭で爆発させてくれる事を期待してみています。
令和の怪物こと寺﨑浩平。今月11日に開催された松戸競輪のG3「燦燦ムーンナイトカップ」決勝戦では山本伸一がまくりを決めて1着。注目を集めていた令和の怪物寺﨑は9着に沈んだ。しかし決勝までは快走を見せつけており、その強さは光っていた。今大会でも怪物の走りに注目だ。
ガールズケイリンの女王「児玉碧衣」対石井貴子。この2人の対決は毎度本当に熱くなる。今回の競輪祭でもその対戦が見れる。ここまで児玉はガールズケイリンフェスティバル決勝、ガールズドリームレースと、松戸G3と石井に先着を許している。流石の児玉も今大会では絶対に負けられないと言う強い気持ちで臨む筈だ。2人の対決がいまから本当に楽しみで仕方ない。
過去の優勝者
2016年11月27日 平原康多 埼玉
2017年11月26日 新田祐大 福島
2018年11月25日 浅井康太 三重
2019年11月24日 松浦悠士 広島