窪木一茂選手が特別選抜試験に合格し競輪選手へ
3月30日、公益財団法人JKAはトラックナショナルチーム中長距離に所属の窪木一茂が、日本競輪学校の第119回生徒入学試験において、特別選抜試験で合格。
第119回(男子)及び第120回生(女子)の入所式は2020年5月14日(木)に行われる予定である。
- 特別選抜試験とは?
世界規模の大会で優秀な成績を収めた者を対象とした試験。
以下の4項目のどれかひとつが満たされていれば対象となる。
・オリンピックに出場し、成績を収めた者。
・世界選手権競技大会に出場し、1〜8位の成績を収めた者。
・ワールドカップ大会あるいはそれに類する大会に出場して、1〜3位の成績を収めた者。
・国際自転車競技連合が設置する世界自転車競技センター参加者。
過去にはソルトレークシティ五輪スピードスケート500m8位入賞の武田豊樹が88回生として、平昌五輪モーグル銅メダリスト原大智が117回生として入所している。
特別選別試験での合格は窪木一茂で9人目である。
窪木一茂選手のプロフィール
小学〜大学時代
小学校ではサッカーを4年間続け、福島県大会で優勝。中学校ではバスケットボール部に入部し、3年時には主将になる。同時に陸上競技の特設駅伝部にも入っていた。
学校法人石川高等学校に入学後、自転車競技部に入部。
2006年の2年生時に兵庫国体、少年の部ポイントレースで優勝。2007年の3年生時には、カナダでの8日間のステージレースであるツール・ド・ラビティビにジュニア日本代表として参戦、最終日には日本人初となるステージ優勝を獲得。
卒業後〜プロチーム所属
2008年に日本大学に進学、自転車競技部に入部。
大学生活初年度は環境の変化、厳しい上下関係、寮生活に戸惑い、成績不振に陥るも、2010年の大学3年時にインカレにてポイントレース、個人追抜きに優勝し、以後多くの勝利を重ねていく。
2012年に大学卒業後、和歌山県庁に就職、職員として働きながらも、自転車競技を継続する。2012年〜2013年はマトリックス・パワータグに所属し、2013年は東京国体で優勝。2014〜2015年はチーム右京に所属し、2015年に全日本自転車競技選手権ロード・レースを優勝。
この2012〜2015年の間も、日本代表としてUCIワールドカップ、アジア選手権、世界選手権など国際レースにも多く参戦。また全日本自転車競技選手権トラックレースでも、2012年のポイントレースに優勝、2015年はポイントレース、4km個人追い抜き、4km団体追い抜きの3種目で優勝している。
プロ選手として
2015年をもって和歌山県庁を退職。2016年よりNIPPO・ヴィーニファンティーニに所属し渡欧、プロ選手として本格的に活動を開始。
窪木一茂選手の主な戦績
- 2016年
リオデジャネイロオリンピック オムニアム 14位 - 2018年
全日本自転車競技選手権大会
ロードレース
個人タイムトライアル 優勝
トラックレース
ポイントレース 優勝
4km個人追抜 優勝
4km団体追抜 優勝
マディソン 優勝
オムニアム 優勝 - 2019年
ツアー・オブ・ジャパン 第8ステージ 優勝
全日本自転車競技選手権大会
トラックレース
4km個人追抜 優勝(4分15秒899) ※アジア新記録(英語: List of Asian records in track cycling)
ポイントレース 優勝
マディソン 優勝
4km団体追抜 優勝 (3分57秒488)※日本新記録
そのほか2019年5月のTOUR OF JAPANの最終第8ステージで優勝、アジア選手権トラック2020マディソン銀メダル、2019年を通じたチームパシュートでの日本記録の更新など、トラック競技中長距離を牽引する存在であると同時に、ロードレースでも力を見せている窪木一茂選手である。
トラック中長距離選手で競輪選手も兼任している選手は、他に同じくチームブリヂストンサイクリングへ所属する橋本英也や、ガールズケイリンの鈴木奈央がいる。
ナショナルチーム中長距離から吉川美穂・新村穣も入所予定
窪木一茂選手同期となる119・120回生としてナショナルチーム中長距離から吉川美穂・新村穣も入所予定となっている。
吉川美穂選手プロフィール
1993年1月15日、大阪府生まれ。競技歴は7年。高校3年の夏に自転車競技を始める。
当初はトラックレースの選手として活動していたが、2012年頃からロードレースに転向。
現在は日本代表選手として世界各地で活躍している。
今後の目標はトラックレースでの活躍と、まだ日本ではマイナーな自転車競技をメジャースポーツに格上げすること。
所属チーム:LiveGARDEN BiciStelle
高校三年の夏に自転車競技を始めてわずか数ヶ月、トラックレースの種目の一つである500mタイムトライアルで日本のトップに近いタイムを出したことで、ロードレースの国内実業団チームへの所属が決定。ロードレースのチームだった、トラックレースの選手として契約し、初年度はJOC (ジュニアオリンピックカップ) などで優勝。
その後しばらく経って、2012年頃からロードレースを開始。
日本代表選手として各地の大会に転戦していた選手であった。
新村穣選手プロフィール
生年月日:1993.10.16
性別:男性
出身地:神奈川県 横浜市
居住地:茨城県 取手市
身長 / 体重:177cm / 73kg
日本自転車競技連盟 男子トラック中距離代表
- 主な戦績
2014 第116回 オーストラル・ホイールレース(オーストラリアの世界最古のトラックレース) 優勝
2015 全日本自転車競技選手権大会トラックレース マディソン 優勝
2016 全日本自転車競技選手権大会トラックレース マディソン 優勝(2連覇)
UCIトラックワールドカップ第1戦(日本代表) 4kmチームパーシュート 11位
2017 アジアトラック自転車競技選手権大会 マディソン 3位
アジアトラック自転車競技選手権大会 4kmチームパーシュート 3位
ジャパントラックカップ I マディソン 2位
JICF国際トラックカップ マディソン 優勝
デビューからすべて1着の18連勝によるS級特別昇級は深谷知広選手以来2人目の記録をだしている。今回、ナショナル組からの3選手が競輪選手としてどのように活躍するのか今からたのしみである。