『第28回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)レポート』前検日編

第28回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)
前検日

「第28回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」が、10月11日に熱戦の火ぶたを切って落とす。
舞台は今年もドームの前橋競輪場、スピードバトルは必至だ。GIも今年残すところあと2つ。
年末の「KEIRINグランプリ2019(GP)」の出場権をかけた争いは、これから正念場を迎える。

競輪プレス
台風の進路は気がかりだが、前検日の10日は、天候に左右されることのないドームバンクで、多くの選手が汗を流したようだ。

各レース注目選手

<1R>注目:宮本隼輔選手

宮本隼輔選手

 宮本隼輔(写真)は、初出場だった8月名古屋オールスター6741着に次いで2度目のGIでオープニングを務める。
「自分の実力はオールスターの時と変わらないので、今の自分にできることをしっかりやりたい。ここを目指してやってきたっていうより、しっかりと練習をやってきたっていう感じです」
その宮本と連係する渡部哲男は、前回の小田原FIが927着。
「(小田原の状態は)最悪だった。普通通り練習して、調整したんですけど、重たかった。前検日の練習から重たかったんですよね。だから(今回は)手入れを多めにやって、疲れを抜く方向にした」

<2R>注目:藤根俊貴選手

藤根俊貴選手
藤根俊貴(写真)は前回の松阪、共同通信社杯を869着。最終日まで残ることができず、無念の3走だった。
「(前々回の)青森記念が意気込み過ぎたのか、そのあとが良くないですね。デビューしてから初めてだと思う、こんなにつまづいたのは…。自分の走りをして負けるなら仕方がないし、初日は先行したい」
2日間の順延があった前回の「滝澤正光杯in松戸(GIII)」から中1日の渡邉雄太の状態はどうか。
「中1日だけど、たぶん大丈夫ですね。(松戸は)3日目から自転車を戻して、それで進んでくれた。まずは(初日)しっかりと自力で仕掛けたい」

<3R>注目:小林泰正選手

小林泰正選手
 小林泰正(写真)は、前回の「滝澤正光杯in松戸(GIII)」を欠場。初のGIが地元とあって気持ちを込める。
「期待に応えられるように頑張ります。いつもの走りができるように落ち着いて。(欠場したあとは)自分のなかではしっかりと仕上げてきた。脚の方は問題ないので、力を出し切れるように」
 10月17日に不惑を迎える吉田敏洋は、今シリーズが30代として最後のシリーズ。
「30代最後をしっかりと頑張りたい。(持病の)腰が悪くならないように、ケアをしながら無理しないで(練習を)やってきた。徐々に良くなっています」

<4R>注目:小松崎大地選手

小松崎大地選手
 2週間以上空いたゆとりのローテの小松崎大地(写真)は、初日の一次予選を同県の成田和也とともに突破を目論む。
「(日にちがあったので)計画的にやれることはやれました。ある程度の手応えは感じてます。(1番車で)車番もいいし、あとはしっかり(力を)出せれば」
石塚輪太郎は予備から108番目の最後に繰り上がった。
「初日から勝ち上がりもあって走れるっていうのは、(補充と)えらい違いですからね。(前回は最終日が中止打ち切りだったけど)走っている感じも良かった。だから、走りたかったけど、しょうがないですね」

<5R>注目:山崎芳仁選手

山崎芳仁選手
 直近はFIの3場所ですべて優出し1度の優勝。無難にまとめている山崎芳仁(写真)が順調をアピールする。
「みんなの脚力が上がっているし、FIでも強いですから。そのなかで自分なりに踏めている。年を取って急に(脚力が)上がるわけはない。だから、あとは練習してかみ合ってくれれば。コツコツとやるしかない」
松本貴治は、昨年の寬仁親王牌欠場の分までと意気込む。
「去年は肺気胸で出られなかったですからね。ここまで日にちがあったんでしっかり練習はしてきた。同期もしっかり勝ち上がって(活躍して)るんで自分も」

<6R>注目:吉澤純平選手

吉澤純平選手
 GIで新車を投入する吉澤純平(写真)が、リラックスムードで愛車を組み上げる。
「練習で使ってみたけど、新車はいい気がするんです。いろいろ変えたりしたんですけど。このままでも(GIで)戦えないことはない。でも、今までと一緒だと厳しいところもある」
松阪、共同通信社杯で落車に見舞われた山本伸一は、前回の別府FIから新車を使いだした。
「いい方向に出ていると思うんで、(GIを)これで勝負したい。(落車の影響があった)体の方ももう大丈夫です」

<7R>注目:取鳥雄吾選手

取鳥雄吾選手
 前回の「滝澤正光杯in松戸(GIII)」を1533着。上々の成績も取鳥雄吾(写真)が方向性を探っている。
「松戸の前にひらめいたセッティングがあったんですけど、走ったらダメだった。それでも(松戸は)4日間それで走った。あとはどうするか先輩たちにもアドバイスをもらえたらと思ってます。(内容としては)まくりも出るようになって、落ち着いて走れている」
柴崎淳は、地元の共同通信社杯のあとにコンデションを崩した。
「共同通信社杯のあとに風邪を引きました。それでも練習は2週間くらいやってきた。新車も持ってきたけど、初日は(前回の同じ)使っているヤツにするつもりです」

<8R>注目:諸橋愛選手

諸橋愛選手
 地元、弥彦で記念3連覇を含む5場所連続の優勝がかかっていた諸橋愛(写真)は、前回の弥彦FIを212着でV逸。
「悔しいですけどね、やっと肩の荷が下りたっていうのもある。そこら辺はわりと割り切っている。やっぱりGIで活躍することを考えているんで。苦しい練習が終わって、これでやっと試合(レース)ですね。練習もやって努力してきたんで、あとは運だけです」
山田久徳は、前回の向日町ブロックセブンの一発勝負を制して弾みをつけた。
「(まくりの)出は良くなかったけど、タイム的には悪くなかった。(自分が乗っている)村田(雅一)さんのフレームがいいみたいですね」

<9R>注目:山崎賢人選手

山崎賢人選手
 前回の岐阜記念から2週間あった山崎賢人(写真)は、仕上がりも良好のようだ。
結構空いてたんで、しっかりと練習ができた。脚は大丈夫です。前橋は走りやすいし、あとは(後方に)置いてかれないように。やっぱり置いていかれるとキツい」
前回、中止になった函館FIもあって、山岸佳太は中3週間以上空いた。
「レース勘のこととかもあるんで、函館は走りたかったけどしょうがないですね。GIだし基本、自分はチャレンジャー。タイミング良く出させてくれれば面白いかなって思ってます」

<10R>注目:松浦悠士選手

松浦悠士選手
 松浦悠士(写真)は現在のところ賞金ランク8位。初のグランプリ出場がみえている
「人任せにしないで、自分でしっかりとレースをして、自分で(グランプリ出場を)決めたいと思っている。直前は防府の33バンクで清水(裕友)君とかやってきた」
新山響平は函館FIの中止もあったが、ナショナルチームでのハードなトレーニングで休む時間もなかったようだ。
「(前回の)函館は前検をやって初日がなくなったんで、練習をしてたら中止になりました。そのあとのナショナルチームの練習で、まだ脚がパンパンですね。室内の250で練習をしているので、前橋は自分にとっていいのかなって思います」

<11R>注目:太田竜馬選手

太田竜馬選手
 単騎の太田竜馬(写真)が、仕上がりに自信ありの顔をする。
「今年一番の仕上がり、今までで一番強いかなって。感触もいいし、スピードも出る。あとは、走ってみないとわからないですけど。(単騎で)できることは限られてるし、チャンスを見つけていきたい」
前回の地元「滝澤正光杯in松戸(GIII)」では、優出を逃した根田空史だが、二次予選Aでは抜群のパフォーマンスを披露した。
「あのイメージが残っているうちに走れるのは、大きいと思う。ただ、(中1日で)疲れもある。メンタル面(の負担)の方が大きいかもしれない」

<12R>注目:平原康多選手

平原康多選手
 落車直後の前回の松阪、共同通信社杯3323着の平原康多(写真)に上積みがありそうだ。
「前回は落車のあとだったんでしのいだだけ。松阪が終わったんで、新車も届いたんで今回から使います。脚力は変わらなくても、それで一瞬にして変わってきますからね
三谷竜生は、昨年末のグランプリ以来の優勝を前回の「滝澤正光杯in松戸(GIII)」で遂げて、流れが変えたい。
「(松戸は)単騎で仕掛けることができて結果もついてきた。これがいいキッカケになればいい。(初日は近畿4車の番手で)責任のある位置なんで、しっかりやりたいです」

平原康多の走りをフルリプレイで!