開設69周年記念いわき金杯争奪戦:G3優勝山崎芳仁選手

いわき平G3優勝戦:開設69周年記念いわき金杯争奪戦

最終日12RS級決勝

  • 1/佐藤慎太郎(SS・福島78期)
  • 2/小原太樹(S1・神奈川95期)
  • 3/鈴木竜士(S1・茨城107期)
  • 4/佐藤和也(S1・青森95期)
  • 5/山崎芳仁(S1・福島88期)
  • 6/武井大介(S2・千葉86期)
  • 7/高橋晋也(S2・福島115期)
  • 8/中村敏之輔(S2・北海道91期)
  • 9/山賀雅仁(S1・千葉87期)

佐藤慎太郎が勢い良く飛び出して、5車結束の北日本ラインが前団に。
高橋晋也-山崎芳仁-佐藤慎-佐藤和也-中村敏之輔、小原太樹-山賀雅仁-武井大介、鈴木竜士の並び。
2周回目の2センターから小原が早くも上昇。
山崎に並びかけて高橋の番手勝負に出る。
単騎の鈴木は最後方のまま。この状態で周回は進み、高橋は後ろをしきりに確認する。
高橋は赤板から一気にペースを上げる。これで山崎が小原を難なくさばいて番手を確保。
小原が後退して、北日本ライン5車がしっかり並んで打鐘、ホームを通過する。
単騎の鈴木が6番手で、山賀はこの後位に切り替える。
ハイピッチで駆ける高橋に対し、鈴木は2コーナーからまくり上げる。
これに合わせるように山崎が3コーナーから番手まくりを敢行。後続の追撃を力強く振り切った。
好追走から迫った佐藤慎は交わせず2着。佐藤和が3着に流れ込み、北日本勢が確定板を独占した

競輪プレス
見事にライン決着となったものの各選手が優勝を狙っていたからこその結果であると思える内容であった。

スタートで前に出たのは1車佐藤慎太郎選手。
1番車のアドバンテージを活かして、高橋晋山崎を迎え入れる。
北日本ラインが前受けで、
まずは隊列が75148・296・3となってスタートしていった。

青板周回に入るところで、2車の小原太樹選手が上昇を開始した。
北日本ラインの分断を狙い、5車の山崎芳仁選手と並走している。

赤板で7車の高橋晋也が一気にスピードを上げて先行態勢に入っていった。

5車の山崎芳仁は小原に牽制を入れてから7車の高橋晋也を追う。
南関東ラインは後退し、北日本5車ラインが主導権を握っていく。

北日本ラインが優勢のまま最終HSは75148・3・962で通過していく。

最終2コーナー過ぎから3車の鈴木竜士が捲りに出ると、それを察知した山崎が最終BSから捲りを打つ。

番手捲りの5車の山崎芳仁選手と1車の佐藤慎太郎選手の直線勝負となるが、山崎が押し切って優勝を果たした。
2着に佐藤慎、3着に佐藤和が入線し、北日本の上位独占が決定した。

5車の山崎芳仁選手の記念優勝は、2015年9月の岐阜記念以来、通算17回目となった。
地元・いわき平記念は2014年1月の63周年記念以来、4度目の制覇となった。

優勝インタビュー山崎芳仁選手(S1:福島88期)

何回、地元記念を走っても、G1より緊張しますね(笑)。
今日は北日本が5車で、晋也も強いから負けられないラインでした。
番手には道中から誰かくる気配を感じていたら、小原君がきた。
そこは凌いで、少しでも脚を使わせようと思いました。
主導権を取ってからの僕の役割は(番手から)出ることだと思ったので、竜士君に合わせて出ました。
捲られたら、元も子もないですし、自分のやるべきことをしました。
後輩にいつも助けられていますね。
慎太郎(佐藤)さんも必死だったと思いますが、僕も必死でしたよ。
一番人気だったので、ホッと、しています。
慎太郎さんが43歳でグランプリを獲ったので、僕ももう1回、頑張りたいと思います。
チャンスがある時に、勝てる脚を作っていきたいですね。

いわき平優勝戦レース展開

5車で結束した北日本勢が前受けした時点で大勢は決していた。

青板前から小原太樹が追い上げて来たが、「来るのはわかっていたし、簡単には負けられないので」。
山崎芳仁(写真)は5車の軸としての強い責任感で番手を死守。
赤板の1センターで単独の番手回りになると、鈴木竜士の最終2コーナーからのまくりに合わせて番手から出て佐藤慎太郎の追撃を振り切った。

「負けられないラインができてしまって、より一層緊張した。慎太郎さんに差されなかったのは良かったけど、まずは自分のできることをやってまくられたら元も子もないので」

記念優勝は15年9月の岐阜以来。
その間、何度となく決勝には乗っていたが、優勝には手が届かなかった。しかし、「地元だけは集中してできている感じがする」の言葉どおり、落車からの復帰戦でも、チャンスを生かしてしっかりと結果を出してみせた。
次節は来月8日から豊橋競輪場で開催される読売新聞社杯全日本選抜競輪
「チャンスがある時に勝てる脚は作っておきたい」。4年4カ月ぶりの記念優勝を糧に好走を見せられるか注目である。

佐藤慎太郎は勝てば地元記念初優勝。番手まくりの山崎にゴール前、懸命に詰め寄ったが逆転はならなかった。
「今年ぐらいはねえ…。しょうがない。(作戦は)全ツッパ。小原はああしといて切る作戦だったのかもしれないけど。山崎もしっかり粘ってましたね。抜こうと思ったけど、抜けなかった。ラインでワンツースリーフォーまで。それはいいけど、やっぱり悔しいですね。次、頑張ります」

佐藤和也もしっかりと併走をしのいで3着に。
年明け早々に競輪祭の出場権を獲得すると、同県の選手たちに冷やかされた。
「みんな喜んでくれましたね(笑)。(小原は)そうきたかと思いました。想定外だったんで、ずっと入られないように。そこだけでしたね。こんなに早く競輪祭を決められたし、誰にも入られず、前に離れずなので良かったです」

北日本勢で上位独占の展開をお膳立てしたのは高橋晋也である。
「青板で来たので焦ったっす」と小原の動きを振り返るが、そこからは落ち着いていた。
「とりあえず1回(ペースを)上げて、そこから流さず行こうと思った。今回はすごくいい舞台で戦わせてもらった。後ろについてくれる人も超イチの方なので、ほんとにいい経験になりました」

初手は6番手の小原太樹は青板前から動いて山崎と併走した。
「あれしかなかった。油断してくれれば切ることも考えたけど、厳しかったですね。今のルールじゃ早めに切ることもできないし、難しいですね」

2コーナーから仕掛けた鈴木竜士は「もっと何かできることがあったんじゃないかな。まあ、しょうがないです。結果がこれなんで」と5着に終わったレースを言葉少なくに振り返った。

競輪プレス

2020年の年が明けてから1ヶ月立たずにG3で優勝を果たすことができた、山崎選手。

ここから調子を上げてグランプリを狙ってくるか注目していきたい。