競輪は序盤のラインが決まるまでの駆け引きの後は落ち着いているように見えるが、それぞれのチームが様々な駆け引きを行なっている。
今回は、競輪でレース中に行なわれている戦法や駆け引きを説明。
競輪が難しく見えるのはチーム戦と個人戦の融合があるから!
競輪は、序盤から中盤戦をチームとしてラインを組んで戦う。
ラインを組んでいる間も淡々と走行しているように見えるが数々の駆け引きが行なわれている事をまず知っておいて欲しい。
終盤になると一気に抜け出して個人戦へと変わる。
選手の脚質を見極めろ!
競輪の選手は、個々の得意とする戦法がある。
その戦法を行なうには各自の得意な脚質を最大限に利用することが必要不可欠になる。
競輪選手の脚質は大きくわけて3つ。
「逃げ」「追込」「両方」の3種類、それぞれに特徴がある。
脚質が「逃げ」の選手
先行タイプの選手のことで、ラインの先頭に立ってレース展開をつくっていく。
自分でペースをつくれる変わりに先頭で風を受けるデメリットがある。
逃げの選手が得意とするのが、全国で『防府』『松戸』『小田原』『伊東温泉』『奈良』『前橋(335m)』『富山』の7か所が333mバンクの競輪場である。
直線距離が短いので、スタミナのある逃げ脚の選手がそのまま勝つことが多く、『逃げ』の選手の力を存分に発揮されるバンクと言える。
脚質が「追込」の選手
先行タイプの後ろにつく選手で、「マーク」「追込」と呼ばれる存在。
先行している選手が展開をつくりやすいように守りながらも自分も勝利を狙う戦術である。
追込の選手が得意とするのが、全国で『千葉』『高知』『熊本』『宇都宮』『大宮』の5か所が500mバンク。
直線距離が長く、差しが得意な追い脚のような後半型のタイプが勝ちやすい。
逃げ脚の選手だと、ゴールラインを割る前にスタミナがなくなり、後続に一気に抜かれてしまうことも少なくない。
脚質が「両方」の選手
自在タイプの選手で、「先行」「追込」のどちらもできる万能タイプの選手。
ラインをつくったときに展開次第で「先行」「追込」をこなす。
選手の脚質はラインをつくったときの位置取りに影響することが多い。
ラインの種類と名称
競輪の特徴でもある「ライン」には組み方や編成によっていくつかの種類と名称がある。
出走選手の脚質や出身地などによって変化をすることもある
ラインは、それぞれの役割に応じて
「先行」「追込」「捲り」と呼ばれている。
ラインの2番目にいる選手は「番手」呼び、3番目の選手は3番手と言う。
この「番手」という言葉はよく出てくるので覚えておこう!
ラインの基本パターン(3-3-3の3分戦)
(先行・追込・追込)(捲り・追込・追込)(捲り・追込・追込)
(先行・番手・3番手)(捲り・番手・3番手)(捲り・番手・3番手)
4-3-2の3分戦
(先行・追込・追込・追込)(捲り・追込・追込)(捲り・追込)
2分戦
(先行・追込・追込)(捲り・追込・追込・追込)
4分戦(細切れ戦)
(先行・追込・追込)(捲り・追込)(捲り・追込)(捲り・追込)
大まかなラインはこのような感じで組まれることが多くなっている。
このラインの作り方でレースの展開が大きく異なり、競輪の魅力の一つである。
番手選手が行なう戦法とは?
競輪のラインでは、先行選手が最も風を受けて厳しい環境だと思われるが、それは違う。
敵が『風』というだけでいいとも言い換えられ自分の走りができるメリットもある。
番手と呼ばれる2番目にいる選手は様々な駆け引きを行い自分たちが有利になるようにしている。
ブロック戦法!
後方のラインから捲りをかけてきたときに番手(2番目の選手)は、ブロックをして進行を防ぐ戦法。
一番よく見られる戦法である
切り替え戦法!
自分のラインが後方のラインに捲られたときに抜いていったラインに自分も加わる戦法。
この方法は3番手の選手にも可能な方法になる。
競り(セリ)戦法!
他のラインの先行選手と競りあうことで前に行かせない戦法。
かなり激しい争いになることが多い。
距離間隔利用 戦法!
自分のラインにいる先行する選手を前に行かせて車間をあける戦法。
他のラインは番手を抜いても先行まで距離があるので、なかなか抜けなくなる。
決まり手の種類と内容
競輪はゴールをしたときの走り方を決まり手と言う。
この決まり手は、実際に選手がどのように走行したのかが『一言』でわかる。
逃げ
残り1周のホームストレッチラインを1番手で通過した選手がそのまま先頭でゴールした場合は「逃げ」となる。
捲り(まくり)
残り1周のホームストレッチラインを1番手で通過した選手を最終コーナーまでに抜いた場合を「捲り」(まくり)と言われる。
差し
最後のコーナーを過ぎてから抜いて勝利した場合を「差し」と言われる。
マーク
自分と同じコース取り(ライン上)を走る選手を抜けずにそのままゴールして2着になった場合をマークと言われる。。
脚質と似たような言葉になるが、根本的に違う使い方をするので混乱をしないようにしよう。
まとめ
今回は、競輪のラインをつくってからの戦法のいくつかを紹介した。
競輪にとって「ライン」は魅力や特徴であると同時に予想を難しくするポイントにもなる。
また、中盤以降の各ライン同士の位置取りや仕掛けといった戦法の数々を理解すると競輪を更に楽しく見ることができるようになるだろう。